- 現状認識
- 都の構造改革・DXの取り組みは近年大きく進展
- しかし生活者の満足向上につながっていない
- 行政の高度化には取り組むべき課題が山積
- マニフェスト
- 便利さを実感できる行政サービスの提供
- 既存の取組を更に前に進め、行政手続のデジタル活用の100%徹底
- 対面での手続きを維持するオムニチャンネルを前提に「行かせない」「書かせない」「待たせない」「迷わせない」行政手続の推進
- 「プル型からプッシュ型へ」個人に合わせた施策パッケージをAI活用により提案
- 徹底した情報公開により東京を透明に
- アクセス手段を多様化し、一人ひとりに合った形で情報が得られるようにする
- 都が持つ情報の公開を徹底する
- 自治体連携の推進による便利さの底上げ
- 協定等の政治的な枠組みだけでなくシステムとして連携を強め生活の利便性向上につなげる
- 政策の質、実行力を担保する組織作り
- 強いデジタルリーダーシップを持つ知事のもと、整備された基盤を適切に利活用していく
- 都庁の働き方改革、業務効率化を推進することで実行力のある組織を作る
- 便利さを実感できる行政サービスの提供
- 行政手続きや内部事務のデジタル化の取り組みは確実に進展
- 行政手続のデジタル化は主要手続のうち都の権限で実行可能なものの約94%のデジタル化が完了
- さらに、全行政手続(約28000プロセス)の22000プロセスについてデジタル化を実施
- そのほか、キャッシュレス化、ペーパーレス化、FAXレス化も大きく進展
- デジタルサービス開発時のユーザーテスト実施状況190件
- スタートアップとの協働件数153件
- 2023年12月末時点のオープンデータカタログサイトのデータファイル数63000件
- 各行政分野でもデジタル化の取り組みが進められている
- 都庁各局ではシン・トセイにより現場レベルでのDXが推進。子育て、教育、防災など様々な分野でデジタル技術を活用したサービスの開発が進められている
- 意思決定上の課題
- 行政DX
- 都として様々な取組が実施されているものの課題は残存
- インタビューした都庁職員の声:GovTech全体の組織は大きくなっているが、エンジニアの比重は少なく、絶対数が足りていない
- インタビューした都庁職員の声:内部手続きが多く、政策を考える十分な時間が確保できていない。また、整備された基盤に都政のトップの理解が追いついていない
- 意思決定プロセス
- 住民意思の汲み取りは4年に1回の選挙が中心
- 住民の思いを幅広く拾い意思決定に反映する仕組みはない
- 予算や人員の配分
- 現都政では行革により財源をねん出。子育て施策をはじめ様々な施策を実施
- 他方、都民の満足度、実感には上手く繋がっていない
- 行政DX
- 組織上の課題:必要なところに十分な人員を配置できていない。
- インタビューした都庁職員の声:デジタル化は進んでいるが、決裁・レクなど内部手続の負担が大きい
- インタビューした都庁職員の声:組織階層が深く(局の下に部がある構成)意思決定のスピードが遅い
- インタビューした都庁職員の声:政策立案に十分なリソースを割けていない。政策立案自体よりもバックデータ作りや裏付け(都民の声、報道など)探しの作業に忙殺。
- 結果、職場としての魅力がうすれ、東京都の採用試験の応募者数は2015年の2024人から、2022年委は697人にまで大幅に減少
- 政策立案や住民福祉の向上など必要な部門に十分な人員配置ができていない可能性
- デジタル化を更に進める上での課題
- デジタル化による都民満足度
- DXの担い手となるデジタル人材の不足
- 今後爆増するデジタルサービスの品質確保
- 都庁の仕事を支えるシステム基盤の連携と効率化
- 区市町村での人材・ノウハウの充実
- 取り組むべきこと
- デジタルサービスの使い勝手の改善の徹底
- デジタルネイティブ以外の世代にも使いやすく便利なサービスを
- デジタルの恩恵をより広く
- 行政手続のみならず、各種政策や情報公開についてもデジタル化でアップデート
- 市区町村や近隣都道府県との連携により都民の生活圏をカバー
- 政策の質・実行力の確保
- デジタル人材の充実確保
- 知事自らデジタル化によるアップデートを推進するとともに意思決定支援体制の充実
- デジタルサービスの使い勝手の改善の徹底
- デジタルに精通したリーダーの下、取組を加速
- 民間では、関係者に企業の価値を理解してもらうための前向きな手法として積極的な情報開示が進められている
- 有価証券報告書:企業が株式や債券などの有価証券を発行する際に提出する報告書であり、主に金融庁に対して提出され、企業の財務状況や業績、リスクなどが開示
- 統合報告書:企業が株主や投資家、関係者に対して財務状況や業績に関する情報を提供するための報告書であり、主に年次決算に基づいて作成され、経営の状況や将来の展望、リスクをはじめ企業活動に関する情報を幅広く開示
- 行政では…情報公開を住民とのコミュニケーションのための前向きな手段と捉え直し、公開する情報の範囲のみならず、利便性や伝え方を工夫していくべきではないか
- 情報開示=不正を暴くというようなネガティブな文脈で使われることが多い
- そのため、後ろ向きで受動的な情報開示になる傾向があるのではないか
- 制度上の国・都・市区町村の役割分担(例)
- 国:防衛、外交、全国で統一すべき基準 など
- 国際社会における国家としての存立に関わる事務
- 全国で統一的に定めることが望ましいものに関する事務
- 全国規模で行うべき施策・事業
- 都:広域的な行政サービス
- 保健衛生:臨時の予防接種の実施 など
- 福祉:保育士・介護支援専門員の登録、児童相談所の登録 (保育所・養護老人ホームの認可) など
- 教育:小中学校学級編成基準、私立学校等の設置認可、県費負担教職員関係 など
- 環境:公害健康被害の補償、(廃棄物処理施設の設置許可) など
- まちづくり:都市計画区域の指定、区域区分に関する都市計画決定、(上下水道の整備・管理運営) など
- 治安・安全・防災:警察、(消防)
- 区市町村:身近な行政サービス
- 保健衛生:保健所の設置、市町村保健センターの設置 など
- 福祉:保育所の設置・運営、生活保護 など
- 教育:小中学校・幼稚園の設置・運営 など
- 環境:一般廃棄物の収集や処理 など
- まちづくり:都市計画決定 など
- 治安・安全・防災・その他:戸籍、住民票
- 国:防衛、外交、全国で統一すべき基準 など
- 東京都ができること:制度上の権限だけでなく、広域自治体として・首都として国・地域をけん引していく必要
- 国に対して:具体的事例やニーズを基に規制改革提案、分権提案を実施し枠組みの変革を主導
- 都民に対して:都の持つ権限や予算、資産を最大限活用し住民福祉の向上
- 他の自治体に対して:自治体のトップランナーとして先進事例の提供、ノウハウの共有を目指す
- 区市町村に対して:財政、情報提供、ルールメイクなどを通じて地域住民の生活向上支援
- ①行かせない
- 行政手続のオンライン申請の拡大
- 区市町村との連携を含めたリモート窓口の整備
- ②書かせない
- オンラインでの事前入力
- マイナンバーカードの読み込みによる入力自動化
- AIを活用した応答型の入力システム
- ③待たせない
- 混雑状況のリアルタイム配信
- 窓口のオンライン予約
- キャッシュレス化、内部手続のデジタル化などによる処理スピード向上
- ④迷わせない
- AIを活用した総合案内
- 同時通訳化による外国人対応の充実
- 窓口のワンストップ化
- 内部プロセスも含めあらゆる行政手続で徹底
- これまでの行政サービスは、大量の情報から自分に合ったサービスを探す必要があり、面倒さや、使えるサービスに気づかないという漏れが生まれていた
- 今後は、プッシュ型で必要な政策情報を取得できるようにする
- 本人情報や事前に入力した興味・関心から関連する政策をプッシュ型で提案(アプリやメールでの通知を想定)
- 前向きなメッセージとともに提案を行うことで、行政サービスの利用への抵抗感を軽減
- アクセス手段を多様化し、一人ひとりに合った形で情報が得られるようにする
- 政策ダッシュボードの充実
- 元データをCSV形式などで公表
- AIを活用しわかりやすく情報提供
- 情報公開制度などこれまでの提供手法の継続
- SNSも活用した広報活動の充実
- 都が持つ情報の公開を徹底する
- 東京都の指標
- 財政状況や都の現状に関する各種統計情報
- 例:基金残高、待機児童数、犯罪被害数、救急搬送件数、観光客数、健康寿命 など
- 財政状況や都の現状に関する各種統計情報
- 行政情報
- 都の行政運営上の各種決定事項・データ
- 例:補助金支出先、各種契約の締結先 など
- 都の行政運営上の各種決定事項・データ
- 政策検討状況
- 各種政策の検討段階での議論状況
- 例:都議会議事録、予算検討段階での重点事項 など
- 各種政策の検討段階での議論状況
- 東京都の指標
- 自治体連携の枠組みはあるものの生活において実感をもてない状況続く
- 災害対応では、
- 非効率的な避難所/避難ルート
- 都内部での地域格差
- 国への要望提出主体の分散
- 交通では、
- 東京への一極集中による交通渋滞、満員電車
- 行政サービスでは
- GovTech東京による区市町村支援は行われているが、満足度の実感向上は道半ば
- 災害対応では、
- 協定等の政治的な枠組みだけでなくシステムとして連携を強め生活の利便性向上につなげる
- 災害対応では、
- 災害時に一律で被害状況/帰宅ルートが把握できるシステム整備
- 交通では、
- 道路交通機関のダイナミックプライシングによる混雑の軽減
- バスなどの移動手段の設計についても広域で連携
- 行政サービスでは
- GovTech東京による区市町村支援の一層推進
- 子育て・介護をはじめとする住民に身近な行政サービスでの区市町村との連携強化
- 災害対応では、
- デジタルに精通したリーダーだから取り組めること
- テクノロジーの実装の一層の推進
- テクノロジーの実装は大きな変革を生む
- テクノロジーのに精通したリーダーだからこそ一層の社会実装が可能に
- デジタル人材の活用、例えば元都庁職員の出戻り推進
- 意思決定プロセスの変革
- 政策の決定方法(=意思決定プロセス)の見直しはトップだからこそ可能
- ブロードリスニングによる住民意思の汲み取りと政策決定への反映の仕組み化
- データに基づいた政策決定(EBPM)の徹底
- 「誰も取り残さない」を中心に
- 既存政策の見直し、テクノロジーも活用した更なる構造改革の徹底により財政や人員の余白をねん出
- 子育て・教育・福祉・防災など「誰も取り残さない」ための施策やテクノロジーによる社会改善に重点配分
- テクノロジーの実装の一層の推進
- 都の意思決定の高度化、例えば各種アドバイザリーボードの設置
- 構造改革・働き方改革の更なる徹底
- 情報の流れの見直し:データ基盤の整備やブロードリスニングによる恒常的な住民意思の汲み取りにより突発的ななリサーチ業務を減らす
- 組織の見直し:業務状況の可視化を行った上で、組織・権限範囲の見直しを行うことによる意思決定のスピード向上
- 内部手続デジタル化:デジタル化の徹底による内部手続の効率化推進
- 構造改革の成果を住民福祉の向上に配分
- 構造改革・働き方改革の成果を教育・子育て、福祉、災害対応、住民対応など「誰も取り残さない」施策に配分