LTや講演をする際に、結構悩みがちな問題があります。それは「準備をどこまですればいいの?」という問題です。
これは、もう少し問題を掘り下げると
- どれぐらいの時間で準備をすればよいのか
- どれぐらいのスライドを用意しておけば良いのか
の2点が、筆者としては初心者がLTに挑む際に頭を悩ませがちな点なのではないか と考えています。
準備時間というのは、ほぼほぼスライドの用意の時間になるので、まずはスライドの用意について考えてみましょう。
この、「どれぐらいのスライドを用意しておけば良いのか」には、絶対的な答えはないのですが、スピーカー毎の適切なスライドの枚数というのはある程度確実に存在していて、これを推定するためのノウハウを知っておくと、最初のハードルを超えやすいのではないか?と筆者は考えています。
スライドを何枚準備すればいいか というのは 見る方向を変えると、「話す時間に対して、どれぐらいのペースでスライドを消費していくか?」という話に置き換える事ができます。
なので、例えばLTを想定し、仮に10枚のスライドを作成してプレゼンの練習をしてみましょう。
このとき、実際にプレゼンテーションにかかった時間を計測しておきます(例えば Powerpointなどでは実際の実時間に応じてページ送りをする機能があり、それを使って時間も計測できます)
実際にやってみた時の時間は何分何秒だったでしょうか?
10スライド当たりの時間がわかると、1スライド当たり何分何秒ぐらいの時間で消費しているかがわかりますので、ここから逆算して必要となるスライド数を推定してみましょう、
ちなみに筆者の場合だと、大体1分で2スライド消費するので、5分のLTの場合は10スライドは最低必要になります。
ただし、1枚目は開始時に表示するスライド、最後はクロージングのスライド(おしまい みたいなスライドを入れたほうが明確に終わりがわかるので良い)になるので、その2枚を除くとだいたい12枚が最低ラインになり、それに加えて話す内容が飛んでしまったときの切り替えや、緊張して少し早口になってしまったり と言う要素を加味して1割ぐらいのマージンを取ると、だいたい13枚ぐらい準備しておく形になります。
ちなみに、多い枚数のスライドを巻き気味で話すことは比較的容易なのですが、少ないスライドを引っ張ることは非常に大変です。
なのでスライドの分量を多くするか少なくするか迷うようであれば、少し多めにスライドを準備しておくほうが、いろんな状況に対処しやすいです。
実際にスライドができたら、実際のLTや講演の練習を始めましょう。
この時、いろんな角度やいろんな視点から練習し、精度を上げていくと、発表当日もある程度安定した発表ができる可能性が上がっていきます。
※逆に、普段からできない事は本番でもできないものです。
いろんな角度やいろんな視点 というのは具体的には次のような例が挙げられます。
- 時間をはからずに、発表の内容や全体的な統一性が取れているかをチェックしながら練習する
- 時間をはかって、想定時間のレンジに発表が収まっているか練習する
- プレゼンの内容を記録ないし録音しておき、セルフチェックする
- 手伝ってくれる人に実際の講演の練習台になってもらい、客観的なフィードバックを受ける
また根を詰めるのも大事なのですが、1週間程度寝かせると人は短期記憶がほぼほぼ薄れるので、比較的客観視した形で自分の成果物(この場合はプレゼン)を見直せる というノウハウがあります。
あなたがもし他人の力を借りられない/借りにくい場合は、スケジュールに余裕を持っておく必要がありますが、例えば1週間後の自分の力を借りてみる という手も覚えておくと発表の精度・練度を上げる事ができるかもしれません。
一般的には、準備時間は発表時間の10倍程度1は必要といわれています。
※慣れている人でもこの程度は要る という話なので、慣れていない場合はその2~3倍の時間は見込んでおきましょう。
あくまでここで挙げている準備時間は参考程度のものになってしまうのですが、これもやっていくと時間の見積もりができるようになってくるので、色々と試してみてください!
ぜひ、これらのノウハウを使ってLTや講演に挑戦してみてください!
Footnotes
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なお私だとだいたい20倍ぐらいかかります…… まあ、調査に時間がかかるネタを選びがちなのでそれはあると思うけど。 ↩